自然を食す① 【閲覧『虫』意】
皆さん「昆虫食」という文化をご存知だろうか。イナゴの佃煮、蜂の子など日本では比較的馴染みの深い(?)文化であると思う。
虫好きな筆者も昆虫食は理論としては興味深く思っていたが、生体を愛でることに喜びを感じるタイプの虫好きであったため、なんとなく手を出さずにいた領域だった。
ただ、虫好きを自称しているのに食虫文化を知らないのはどうなんだろうという、価値観の転換(?)を経て、とうとう手を出してしまった次第である。
今日はまず「昆虫食とは?」というところから話して行くことにする。
そもそも昆虫を食べるという文化はマイノリティではあるものの、世界各地に古くからあったものである。国連食糧農業機関(FAO)の報告によると現在アジア、アフリカ、南北アメリカなど80カ国以上に昆虫食の文化があるとされている。世界的に見て間違いなく奇異な文化である昆虫食ではあるが、将来的な食糧問題の救世主として注目を集めている。
世界人口は2030年には約90億人に達するという見込みであり、そうなった場合、現状のペースで食糧増産を進めても約5~10億人が食糧難に苦しむとされている。そこで昆虫の出番である。
良質な動物性たんぱく質を豊富に含み、ビタミン、ミネラル、食物繊維など栄養価で見て優秀であること。その飼料コストが安価であること。小規模設備で生産できるため環境への影響が小さいこと。等様々な面で優秀な食材と捉えられてきている。
雑な紹介ではあるが、食材としての優秀なポテンシャルは多少なりともお分かりいただけたことと思う。
しかし、いかに栄養があろうとも食材としての評価最大のファクターは「味」であろう。というわけで、現在生産の動きが広がりつつある主要な虫のレビューをしていこうと思う。
第1回目は欧米で養殖が進んでいるバッタ類の紹介。
今回食すのはこちら。TAKEO for healthy lifeで購入した「Orthoptera(直翅目) Mix」。
[↑(左から)コオロギ(小)、コオロギ(大)、バッタ(イナゴ?)、ケラ]
では実食。
コオロギ(小)
とても香ばしく食べやすい。苦みや青臭さも無く、4種では最も癖が少ない。
コオロギ(大)
少し生臭さがあるが、味が濃く美味。
最も顔に生気があるので目を合わせないように。
バッタ(イナゴの類?)
比較的大きく、食べ応えがある。草原の風味の後に、そこはかとないエビ感がある。
こちらも生気のある顔をしている。脚が特に香ばしく、美味。
ケラ
小さい見た目に反してクセが強い。生臭さというか野性味が強く、食べやすいとは言い難い。
正直な話をしよう。さほど美味しいものではない。
ボイル→乾燥→塩という素材の生きた調理法のものをそのまま食したためクセが気になった部分があった。しかしながら、クセのある食材なんて珍しくもなんともない。料理という武器を持つ人間にかかればきっとすぐに誰もが美味しくいただける食べ方が見つかることだろうと思う。料理研究家の方々に期待せざるを得ない。
オススメの昆虫料理があれば是非とも筆者までご一報を。
明日か明後日かには同時に購入したもう一方の食用昆虫のレビュー記事も書こうと思うので、閲覧「虫」意でよろしくお願いします。